志緒村亜希子[元・子ども苦手カウンセラー/8歳男児の母/感情の専門家/やさぐれ女子の駆け込み寺]
妊娠出産のテーマを通して本当のわたしらしさが見えてくる!?忙しい毎日の中「子どものことは“そのうち”考えたい」と思う今だからこそ見つめたい、産む、産まないのもっと手前にある「わたしの本音」。豊かな人生を、ここからはじめよう。
第1回 【言えたら、癒える】「私も、お母さんになるのが怖かった」
第2回 【知るだけで、いい】「自分にとっての妊娠出産」を知ることで、全ての女性に起こる驚きの変化
第3回 「子どもが欲しいのかどうか、分かりません」煮え切らない気持ちとの向き合い方
第4回 【認めるのが悔しい】子どもを欲しいと思えなかった"わたしの本音"
第5回 【相談】子どもが欲しくて39歳で入籍。仕事との両立が不安になり夜の関係から遠ざかっています
こんにちは。元・子ども苦手カウンセラーのアッコです。
先日、「子どもを望んでもいいのかもしれない」と人生で初めて思ったというミキさんから、こんなお便りが届きました。
39才目前。
子どもを持つ人生を望んでみてもいいのかもしれない…と、人生で初めて思ったのが、この間の夏で。
自分が妊娠すること、子どもを持つことを考え始めて日が浅く、そのわりに、仕事のことや子育てのこと、障害を持つ子どもだったら…等など、考え始めたらいくらでも不安になれる年齢だったりもして、一人で悶々としていました。
余裕で高齢出産(しかも初産)だし、彼(一つ年下)のお給料はそんなに高いという訳ではなくて、そんな状況で今さら子ども?…と思われるんじゃないか…という気持ちもあります。
でも、「二人のこと」、ですものね…。
彼に、子どものことをどう考えているのか、勇気を出してちゃんと聞いてみようと思いました。
さて、この記事を読んでくださっている方の中には、ミキさんと同じような状況で、妊娠出産のことについてパートナーの考えを聞いてみたいけど勇気が出ない...と、一人で悶々とされている方も多いかもしれませんね。
ただ聞くだけなのに「勇気」がいる理由
『子どものことについて、どう考えてる?』
こう文字にしてみると、聞きたいことは実にシンプル。なのになぜ、この一言を伝えるのに、こんなにも勇気が必要なのでしょう。
それはやはり、彼の反応が気になるからだと思います。
「私と熱量が違ったらどうしよう」
「女として傷つくことを言われたらどうしよう」
「この話をしたら、急に夜の生活を白けさせてしまうのではないか」
など、こう言われたら?ああ返されたら?とあれこれ起こってもない未来のことを心配してしまう。なぜなら私たちは基本的に、こういうセンシティブな話し合いに「慣れていない」から。
そう、やわらかい本音の傍にある妊娠出産や子どもに対する価値観について、大事な人とゆっくり深く語り合う機会があまりにも少なかったはず。
だから、「子どものことについて、どう考えている?」というたった一言を、緊張してなかなか言い出せないのも、当然のことです。
まずは「コマーシャル作戦」からやってみよう
このセンシティブな話題に触れるにあたり、あなたの緊張を和らげ、また彼にとっても唐突な感じを和らげるために、まずはこっそり、彼の前でXワード(子ども、妊娠など)を口にする練習からやっていきましょう。
題して、テレビのコマーシャル作戦(笑)
例えばこんなことはありませんか?テレビで初めて観る謎のCMも、繰り返し目にするうちに馴染んできてしまうこと。気づいたらCMソングを脳内で口ずさんでいたり、その商品が気になっていたり。私たちは初めて見たり聞いたりするものには抵抗を感じますが、何度も見たり聞いたりするうちに受け入れるハードルが低くなり親近感さえ湧いたりするもの。
この、「サブリミナル効果」と呼ばれているものを、彼とのセンシティブな話し合いの中でも活用していくのです。
彼に「子どものことを、どう考えている?」と切り出す前の数日間、普段の会話の中で「子ども」や「妊活」についてのキーワードを小出しにしたり、関連するニュースや友達の話題などに”ちょっとだけ”反応してみるのです。「へ〜〜、赤ちゃんかわいい」など、何気ない一言を、わざとらしくならない範囲で、ね。
本番では「心の実況中継」をする
コマーシャル作戦で「そろそろいけるかも」と思いはじめたら、次は本番です。
「子どものこと、どう考えてる?」と本題に入る前に、まずは心の実況中継を口に出してみてください。
「ああ、緊張する」
「伝わらなかったらどうしよう...」
「何から話せばいいんだろう」
「ヤバイ、たすけて〜(笑)」
などなど、そのまま全部口に出してしまうのです。
アワアワする姿も隠さないでください。
普段あなたがどういう時に戸惑いを感じたり気弱になりがちなのかを見せることで、まだまだ彼が知らなかったあなたの一面を知ってもらうことにもつながります。もしかしたら彼にとってあなたは、お仕事に生活にプライベートになんでもこなせるスーパーウーマンに見えていたかもしれません。
こうして子どもの話題をきっかけに、いろんな自分を彼と共有すると、彼の新たな面も発見するでしょう。二人の未来を描くことがもっと楽しくなるかもしれません。
ぜひ、「コマーシャル作戦」と「心の実況中継」やってみてくださいね。
かくいう私も、30代半ばの頃、心臓をバクバクさせながら勇気をふりしぼって旦那さんに「あのさ、子どものことをどう考えてる?」と聞いてみた過去があるんです。
次回は、その時の"ちょっと笑える"エピソードをお届けしますね。どうぞお楽しみに!