
志緒村亜希子[元・子ども苦手カウンセラー/8歳男児の母/感情の専門家/やさぐれ女子の駆け込み寺]
妊娠出産のテーマを通して本当のわたしらしさが見えてくる!?忙しい毎日の中「子どものことは“そのうち”考えたい」と思う今だからこそ見つめたい、産む、産まないのもっと手前にある「わたしの本音」。豊かな人生を、ここからはじめよう。
第1回 【言えたら、癒える】「私も、お母さんになるのが怖かった」
第2回 【知るだけで、いい】「自分にとっての妊娠出産」を知ることで、全ての女性に起こる驚きの変化
以前、私の元にこんな相談が寄せられたことがあります。
「いま夫婦2人で幸せに暮らしていて、仕事にも不満はありません。このまま穏やかな日々が続けばいいなと思っている中で、子どもをどうするかには向き合いきれずにいます。ではこのまま夫婦2人でいいのか?というと、そうとも断言できずにいて、どうしたらいいのか分からなくなっています。」
自分の気持ちが分からない、って地味にしんどいものですよね。
お話をよくよく伺っていくと、その方の中に
「子どもが欲しいと思えることが正解で、欲しいと思えていない自分の考えは世間的に受け入れられないのでは?」
という思い込みと不安が見えてきました。
自分の気持ちが分からず辛い時というのはだいたい、そこに正解"らしきもの"が見えるけれど、そこに向かいたくないような気がする時。
また、そんな自分のことも認めたくない時でもあるのかもしれません。
本当は他人が用意した正解に合わせていくのではなく、もっと自分で感じて考えた上で、自分の答えを出したいのですよね。
心がひとりぼっちになっていく
私自身、子供を持つことに向き合えず、ずっと気持ち的に避けてきた1人です。
当時、子どもの話題は、私の「心の地雷」でした。
つまり触れてほしくない話題ナンバーワン。でもそのせいで周りがどんどん母になっていく中、とても仲良かった友達を傷つけ絶交させてしまった苦い思い出があります。
子どもを欲しいと思えない自分を責めたし、夫や家族にも申し訳ないと思いつつ、でも一番は、誰かにこの気持ちを分かってほしいとも思っていました。
- 「自分でも、なぜ自分の気持ちがわからないのか?がわからない。」
- 「素直に欲しいって思えたらこんなところでモヤモヤしないのに。」
そんな、他人とは違う自分に自分が一番困っている。
なのに、身近な人に話すなんてできない。
勇気を出して話したとしても、またここでも分かってもらえなかったらと思うと、もうこれ以上傷ついたり悲しい思いをしたくない。
そうやってどんどん心がひとりぼっちになってしまうのです。
冒頭のご相談者さんも心が孤立してしまっているようでした。
自分の気持ちが分からなくなる理由
きっと、自分の気持ちが分からなくなってしまう女性は、心の根っこが優しくて、とても真面目な方が多いと思います。
私の元にも、そんな頑張り屋の女性がたくさん相談にこられます。
そしてみなさん口を揃えて言われるのは、
- 「自分の気持ちを優先することがいつの間にか苦手になってしまった」
- 「自分を大切にするという感覚がわからない」
ということ。
少し抽象的な話になってしまいますが、もし幸せの定義というものがあるとしたら、そのひとつは自分が感じていることを素直に受け止め、それを表現したり行動したりできることだと思います。
嬉しいときは心から喜び、いやだなと思うときは無理をしない。
そんな素直な生き方をしている方は幸福度が高く、その人らしさが輝いています。
一方で、真面目で頑張り屋の女性たちの中には、素直に生きている人を見ると腹が立ったり、「自由な”やつら”の尻拭いをさせられている!」という自覚があるようです。
どこか自分を抑えている部分もあるからかもしれません。
そんな経験を通していくうちに、世間の価値観の中で自分に折り合いをつける方法を編み出し、言いたいことを言うよりも、他人の期待に答える生き方を優先してしまうーー。
相手の立場やタイミングを考えられるのは知性であり、とても素敵なことです。
ただ、そうして周囲とのバランスを考えるあまり、自分の気持ちが分からなくなってしまうという側面もあるのです。
煮え切らない気持ちをしっかり言ってみよう
子どもが欲しいのかどうか、自分の気持ちがわからなくてモヤモヤするのなら、まず大切なのは、
- 「分からない」
- 「どっちでもいい」
- 「考えたくない」
という煮え切らないような気持ちを、自分にしっかり言わせてあげることです。
産むor産まないも、もしかしたら、頭でっかちに考えすぎているせいで不安が次から次へと襲いかかり、混乱しているだけなのかもしれません。
私はどう暮らせたら幸せかな? と、シンプルに自分の心に問いかけてみてください。
「わからない」「考えたくない」「モヤモヤする」を自分に言わせてあげられたあなたは、今以上に「こうしたい」「こうなりたい」が見えてくるのかもしれません。
あなただけの「極秘文書」をつくってみて
できる方は、心の中に浮かんでいるものをすべて文字で出してみましょう。
例えば・・・
⚫︎「親に自分がこう思っているのを悟られたくないな」
⚫︎「あとになって気持ちが変わって焦るのはいやだな」
⚫︎「実はわたしは子どもが苦手かもしれない」
⚫︎「自分に向き合うとか面倒くさい」
⚫︎「産休中、仕事のポジション奪われないか不安」
⚫︎「いいお母さんになれないかもしれない」
⚫︎「いざ出産して仕事への熱がなくなったらどうしよう」
などなど
どんな思いでもいいのです。心の中にある小さいこともすべて書き出してみましょう。
他人に知られたら責められそうだとか、こんなことを思っている私は白い目で見られそうだとか、そんな自分もOKです。薄目で見守ってあげましょう。
その紙は絶対に他人には見せない極秘文書。
だからどんな心のうちを書いてもいいのです。
書き出したら、自分の書いた答えを眺めてみましょう。いかがですか?
結論を焦るよりも、まず今の自分をあなたが理解してあげることで、安心して進んで行けると思います。
また、書き出しワークではこんな方もいらっしゃいます。
「なんだか母の顔がチラつくようで、書きたいのにうまく書けないんですーー」
本音を出そうとしたとき、お母さんの存在が気になってしまい、ひっかかりを感じるのだそうです。
実はそんな方も少なくありません。
母親とのことは、次回お話できればと思います。
【あなたのお話聞かせてください♪】
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