〈〈 前回の記事 『暴れる子があれよあれよという間に優しくなる「ひと言」』
私は、東⽇本⼤震災のあたりまで福島県で⼩学校教員をしていましたが、思うところがあり、⾃分で教育の場を開きたいと思うようになりました。
でも、不登校専門でやりたいと思っていたわけじゃありません。
困難を抱えた人に寄り添いたいという思いはありましたが、不登校のためのフリースクールをやりたかったわけではありません。
私立の学校のように、私の思い描く教育を希望して、生徒さん自ら選択して来る教育の場でありたいと思っていました。
学校現場にいた時は、「どこにラインを置けばいいのだろう」といつも悩んでいました。
フリースクールを開設する頃、「ラインを取っ払い、『みんなちがって みんないい』という場づくりがしたい」と思っていました。
しかし、学校現場で「ライン」を作らないことは不可能でした。
ある「ライン」を超えたら、「だめだよ」と指摘、注意、叱責をしなくてはいけませんでした。
今私が経営している『⽔野⾕塾』では、「ライン」を取っ払い、一人ひとりを⾒つめ、⼤切に育むことで、集団を育てています。
みんな違った個性を認め、尊重することが豊かな集団をつくっています。
私は、⼦どもが多くなればなるほど楽になり、⼦どもたちもいきいきと活動しています。
⼦どもたちは友達のよさを認め、まねをしたり、ともに楽しんだりしながら感性を伸ばし、おおらかになっています。
こんな楽しいことがあるでしょうか。
夢物語に聞こえるかもしれませんが、10年以上、⼦どもたちと丁寧に紡いできた経験から私は断⾔できます。
⼦どもの集団教育において「みんなちがって みんないい」の世界は実現可能です。
⼤したお⾦も必要なく、複数⼈いる中で、互いに相乗効果を⽣み出すことはできるのです。
⻑期休業⽇に⾏っている寺⼦屋塾に参加された何⼈のママさんからは、
「⼦どもが⽔野⾕塾から帰ってくると、満⾜したようで落ち着いてるんですよね。兄弟げんかもしない。助かります。」 といった嬉しいお⾔葉を頂戴しました。
私は、⾃分が楽しいと思うことをしているだけなんですよね。
私の「楽しい」と⼦どもたちの「楽しい」が同じなんだと思うんです。
そもそも、 宿題や勉強は頑張ってやるものではありません。 楽しいものです。
学ぶことって楽しいことです。
中にはよかれと思い、⽞関で「頑張ってきてね」とお⼦様におっしゃる⽅がいますが、 私は「勉強は頑張るものではありません。楽しいものなのでそのように⾔わないでくださいね。」とお願いしています。
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