〈〈 前回の記事 『そんなことある?一人残らず勉強しちゃう伝説のスクール「水野谷塾」』
「水野谷塾」では「夜の宿題会」という事業もしています。
毎週月、水曜日19:00~21:00(20:00~20:30手作りおやつを食べて休憩時間、小学生は20:30まで)で宿題などを持ち寄りやるというものです。
この宿題会には、「こんなとこ、おれは来たくなかったんだよ!!」と暴れる子も来ます。
C君も、そんな一人でした。
塾に来て暴れる子には、私は
「そっかあ、分かったよ」
とだけ言います。
C君
「おれはやらないからな!!」
私
「分かったよ」
C君
「おれは入んない」
私
「いいよ。じゃあ、どこがいい?」
普段はそこからヒートアップするのでしょう。C君は意外にも自分の言い分を聞いてもらえたことに驚いてもいるようでした。
声のトーンが下がり、「あっち」と物置を指しました。
私
「いいよ。座布団持ってこようか?」
C君
なんだか優しい子になっていました。
私
「ただね、お願いがあるよ。ここにあるものは触っていい。でも、落としたり壊したりしないでね。お願いね。」
C君
「うん」
と素直に答えてくれました。
これまでには、こんな風に初日に暴れる子が数名は来ました。
どの子にも「やりなさい」とは言いません。「入りなさい」とも言いません。
でも、2~3回目には自分から部屋に入り、5~6回目には自分から宿題をやるようになります。
また、塾では落ち着いているのに、来る前に車の中で親子喧嘩をして駐車場で取っ組み合いをしていた時がありました。
私は急いで駆け寄り、
私
「Dちゃん、疲れてるんだよね。今日はちょっと休みたいんだよね。
大丈夫。分かってる。」
と言うと
Dちゃん
「そうだよ。なのにこいつが行けって言うんだよ。」
とカバンを投げつけました。
私が
分かってる、大丈夫
を繰り返すと、自分で塾に歩き出しました。
私はDちゃんの肩をさすりながら一緒に塾に入りました。そして彼女は階段を上がり、窓から出て、屋根に座っていました。
興奮を落ち着かせているようでした。
「そこは滑るから、気をつけてね」とだけ言って、私は他の子達を見に下におりました。
しばらくするとDちゃんはおりてきて宿題を始めていました。
「疲れてるでしょ。いいよ、やらなくて。休んでな。」と声をかけると「いい」と言ってそのまま宿題に取り組んでいました。
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