こんにちは、経営コンサルタントの吉井りょうすけです。
先日、時間があったので、新宿にある「マザーハウス」に立ち寄りました。
マザーハウス、ご存じですか?
バッグやアクセサリーを扱う雑貨店で、国内外あわせて、たしか41店舗を展開しています。
他との際立った違いは、「発展途上国で作った製品を日本で販売して、途上国の貧困問題を解決しよう」とビジネスを展開していることです。
結構多くの人が一度くらいあると思うんです..「『貧困など』国際的な問題を解決するための仕事をしたい」を実際に、ゼロから形にした会社です。
代表の山口絵里子さんは本の中で、こう言っています。
『だまされることも、約束を守ってもらえないことも、製品づくりで手を抜かれて落胆することもあったけれど、七転八倒しながら、バングラデシュでレザー製品の工場を立ち上げた経験を書いています。
そういう経験を経て、しっかりとクォリティの高い「かわいい製品」を生み、販売に成功しました。』
正直、僕、ファッションは苦手です。
いつも買うブランドは、妻に教えてもらったところだけですし、買い物も面倒。素敵な服を着るのは好きなんですが、あまり服ことを考えたくない。(わがままですね)
そんな僕が、マザーハウスの店舗には不定期にふらっと立ち寄ります。
それは、製品を見たいのはもちろんですが、同時に、ここへ来ると
「自分は、ちゃんとやりたいことをやってるかな」
と振り返るきっかけになるからです。
「せっかく短い人生を生きているのだから、自分がやりたいことをやりたい。」
「やりたくないことは手放したい。」
無意識にそんなことを思うときに、立ち寄っている気がします。
「私、これやりたい」は2種類ある
これまでに、いろいろな「これから起業したい人」と話してきて結構多いのが、「自分がやりたいことが、間違いなくあると思うんだけど・・・はっきりしない」という話です。
確かに、ある人の「これをやりたい!」という気持ちはしっかり根を張り広がるのに、
別の人の「これやりたい!」は、その人にとってまだまだ薄っぺらい感じがする。それは、「情熱」というには弱くて、ちいさなろうそくの灯り程度に見えます。
その違いは何なのだろう?
そう思いませんか。
僕は「やりたいこと」への情熱は育てるもの、と思っています。
初めから大きな炎が燃え上がる人もいますが、最初は小さな灯りだったのが、薪をくべ、燃料を追加し大きな炎に育てる必要がある人もいるんです。
では、一体どうすると情熱は育つのか。
その鍵は「経験」です。
本当の現実を見て・聞いて・感じる
マザーハウスの創業者山口絵里子さんが書籍「裸でも生きる」にこんな話を書いています。
「『私も、日本に連れていって』そう言って、彼女が私に迫った。そして家族の問題、お金がないこと、どうにか先進国に住みたいと涙目で訴えてきた。」
大学卒業後、「発展途上国の実際」を見ようと、山口さんはバングラデシュの大学院に進みます。そしてそこで「発展途上国の、本当の現実」を見ます。
いま紹介した文章はそのことを書いたことばの一つで、普段一緒に過ごすバングラデシュ人の友人から「この環境から、逃れたい」と、助けを求められた時の話です。
外国の人を日本に連れてきて生活を提供するなんて、簡単なことではありません。
きっと大事な友達からこの言葉をかけられたら、切ないし、貧困問題をより痛切に感じるのではと思います。
先の本の中には他にもいろいろな経験が書かれています(自動車にひかれた少年のために、救急車を呼ぼうと警察に頼んだら賄賂を要求されたとか)。
それらの経験が、きっと想いの「解像度」を高め、その人の情熱 ー もっとかっこいい言葉でいうなら、ミッションやパーパス ー を育てることにつながったのだと思うのです。
では、そもそも「やりたいこと」とは、どうやって見つけたらいいのでしょうか。
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