「その仕事断っちゃえ。」と僕が言い切った理由

働く女性なら「(こんなことは言いたくないけれど)やっぱり女は不利だ」と、泣き出したくなることがあるはず。そして思い悩むのだ。「どこまで押して、どこで引くべきなのか」と。ある日、そんな場面に直面した女性の友人から相談を受けた、経営コンサルタントの吉井りょうすけ先生が、「その仕事断っちゃえ。」と言い切った理由とは。

コンサルタントをしている友人から、興味深いことを聞いた。彼女はとても仕事ができる。仕事も早いし、コミュニケーションも細かく入れてくれるから、一緒に仕事をすると安心だ。これから伸びていく人なのだろうと思っていたら、相談のメッセンジャーが来た。

「意見をまったく聞いてもらえないクライアントがいるんだけど、どうしたらいいか。」

こちらの意見は反映されず、社長の意見だけで前に進む。その意見が稚拙。前に進まない。なのに、自分がうまく機能しない。つらい。

一言で言えば、軽く扱われているのだ。

僕もコンサルタントだけれど、この女性のような接し方をされたことはない。この差はおそらく、僕が男だからで、女性だったら同じようなことを経験したんじゃないかと思った。

女らしさの呪縛

言葉として、もう古めかしいけれど「女らしさ」という言葉がある。女らしさとは、例えば、優しさや、よく気がつくこと、そして、誰かのケアをすること。服装にも「女性らしい」がありますよね。

あえてこういう言い方をすると、女らしさとは「生きていくためにが誰かの庇護を受ける戦略」なのだと思います。

もちろん男性と女性の性差はあって、男性の方が上へ上へ登ろうとする傾向がある気がするし、女性の方が共感が上手だと思う。でも、絵に描いたような「女らしさ」に合致した人格の人なんて、どれだけいるか。

対等に見ることができない

冒頭に書いた女性の話だと、社長さんが、女性を対等に見られないことから問題が起こっていると思います。

「だって女性は男の下にいて、庇護するべき存在だから」という見方が当たり前になっていて、振る舞いの中に現れる。

きっと悪意はありません。無知ですが。

誰もにとって重要な問題ではないと思いますが、働く女性にとっては、少なからず大きな問題では。女性というだけで、人として見られないのですから。

ただ「女らしさ」のフィルターは、男性だけが持っているわけではありませんよね。女性なら、きっと男性には少し下手に出た方が相手の緊張がほぐれやすいのを知っていると思います。自信なさそうにした方が楽だとか(女らしさの中に、自信家やバリバリ仕事ができる成分はないです)。

女性らしい服装をして綺麗になって、庇護されることを目指す方だっているでしょう(自分のためではない美容やファッションです)。そしてそれは「疲れるまでは」楽しいのでは?(一生ケアしてあげるに値する相手が見つかるといいですね)。

自分の生き方を守れる場所へ

友人には、「その仕事断っちゃえ」と話しました。一緒にいる人によって、心地よかったり、居心地が悪かったりすることは普通にあるものです。

その中でも、「自分を人として見ていない相手と一緒にいることは、深い部分が損なわれるよ」と。

少しずつ変化してきている気がするけれど、「女らしさの呪縛」は老若男女が共犯的に作り出しているものです。根深い問題です。でも本当は、女らしさのフィルターを脇に置いて、目の前の人を見ることができるといいなと思います。たくさんの人を十把一絡げに表現するやり方は、もううまくいかないから。

そして、あなたを人として見ない人が周りにいるなら、そこから抜けた方がいいと思う。

もしあなたがいつの間にか下手に出てしまって、仕事で自分の人生を生きてないと感じたら、呪縛をといて、バリバリ仕事し出してもいいと思います。もちろん、いわゆる女性らしく生きたい人は、そのように。

まだきっと全体では変われない。

だから、自分のできる範囲で生きやすさを作るの、大事だと思います。

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