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〈〈前回の記事 『Q &A「クラスで一番忘れ物が多い」と言われました』
わが子を特性のある子として受け止めなければ、つらすぎる。
こんな風に思っているお母さんも少なくないでしょう。もちろんそれ自体はいいんです。
ただ特性は誰しも持っているもの。そしてホントに環境次第で子どもは変わるんです。
どんなに荒れても、「かける言葉」によって「対応の仕方」によって、お子さんは必ず変わります。
それはぜひ覚えておいてくださいね。
こだわりが強い子ども
俗に言う『こだわりが強い子』は『違いの分かる子』です。
例えばお子さんが「この洋服は痛いからイヤだ!!」と訴えてきたとします。
そんな時はつい「気にしすぎだよ。そんなの気にしなければいいんだよ。」と言いたくなりますよね。でもそこはグッとこらえてこんな風に声をかけてあげてください。
「すごい!生地の違いが分かるんだね。嫌だった?違う服にしようかね。」
いつもキレていた子が、ちょっとずつ変わってきますよ。
お母さんが一生懸命に対応してもイメージと違う反応だったら、どっと疲れてしまうこともあるでしょう。
ドラマに出てくるような親子の関係になんてならないですよね。
でもみんなそうです。焦らなくて、大丈夫。
先生に噛みつく子ども
ある時「学校で荒れているから支援してほしい」とご依頼が来ました。
先生に嚙みつくから傷害事件として訴えますよと言われたそうです。
私は急いでその子の状況、学校環境、家庭環境の聞き取りをしました。そして実際に会い見立てを行いました。
すると、
- 「ダメ」という言葉に人一倍強く反応する
- 乱暴というよりむしろ真面目
- 知識欲がある
- イラっとしたら体が言うことを聞かなくなる
- 本人は自分を「ダメだダメだ」と思っている
というような、お母さまの見えていなかったお子さんの特性が見えてきたのです。
象徴的な、こんなエピソードがあります。
地域の地図について学習していた時です。授業の内容に関係のないマニアックな予備知識を大きな声で発言しました。すると「それは今関係ないから」と先生から注意を受け、大荒れになったのです。
お母さまにはこのようにお伝えしました。
「学校を変えることができません。ですから、家庭では『ダメ』の言葉を完全に無くしていってください。そして、『~しようと思ったんだね』と本人の真意をこちらがくみ取り、言語表現してあげるんです。そうすれば、学校でも荒れなくなります」
例えば先のエピソードだったら、私なら「へえ、そんなことも知ってるんだね。雑学王だなぁ。すごい!」と言います。
そう言われると、褒めてもらえるし、自分の伝えたい欲求も満たされるしで、お子さんは落ち着いて話に戻れます。
学校への忠告は愚策
また、こういった時、学校の先生に忠告することは愚策です。学校との関係性が悪化する可能性があるからです。
そのため学校側には「いつもありがとうございます」「ご面倒をおかけして申し訳ありません」を繰り返すこともお願いしました。
そして⽉に3回程度の面談をしながら経過を見ることになったのです。
すると1カ月ほどで、先生に嚙みつくなどの傷害は無くなりました。すぐにキレて物を投げるという行動は続いていましたが、半年が経つ頃には物も投げなくなりました。
1年で、自分が切れそうな場面を理解できるようになり「落ち着かないのでクールダウンしたい」と自分から先生に言えるようになりました。
1年半経った今、荒れなくなり、学力も上がり、好きなお絵描きが乗じて4コマ漫画やオリジナルキャラクターによるストーリー性のある漫画を描いていますよ。
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