つらい失恋から立ち直れる「お通夜の儀式」

こんにちは。パートナーシップと性のカウンセラー小野美世です。

恋愛を持続させたいと願う人にとって、失恋はできたら避けたいもの。

恋人と別れた後、立ち直るまでどのくらいの期間がかかるのか、その間をどう過ごすかは、人それぞれでしょう。

ご相談をお聞きしていると、基本、半年も期間があればだいぶ気持ちが回復して立ち直るようですが、なかには数年、別れた彼のことを引きずってしまう方もいます。

私は、失恋をして大変な時期にいる方に「一度しっかりあきらめて落ち込む期間を作ったほうがいいよ」という意味で、「今からしばらく、お通夜をしましょう」と、よくお伝えします。

また、恋人との関係にお別れの気配が漂ってきても、失恋のショックから立ち直れないかもと怖がるあまり、結論を出せず時間だけが過ぎていく場合も多いようです。

「結局私、別れて一人になるのが怖いんです。だから、今の関係をなかなかやめられなくて…」とおっしゃる方もいます。

そんなふうにお別れを怖がっている方にもぜひ、「失恋したときのお通夜」の方法を知ってほしいと思います。

1.嬉しかった記憶をリストにする

失恋してリストを書く女性

恋を失ったとき。

もうあの彼をあきらめないといけないとき。

次の恋に進む気力もわかないとき。

最初は彼から好きになってくれたのに、今やもう自分に気持ちがないのだと思い知らされたとき。

泣いて、泣いて、泣き疲れたあとでいいです。日記アプリでもノートでもなんでもいいので、次のようなことを書いてみてください。

⚫︎彼に言われて嬉しかった言葉、彼から送られて嬉しかった言葉

例:自分への褒め言葉、キュンとした言葉、好きだよ、可愛いなど

⚫︎目で覚えている嬉しかった記憶

例:こんな素敵なシャツを着ていた、あんな車で迎えにきてくれた、よく一緒に訪れた場所、笑顔、表情など

⚫︎感覚で覚えている嬉しかった記憶

例:朝起きるとメールが届いている、手をつないだときの感覚など

ペン

要するに、その彼から受け取った「自分が嬉しかった記憶」「自分の印象に残っていること」「自分が喜んだ瞬間」を全部掘り起こして書いてみるのです。

心に閉じ込めない、目をそらさない

大体、ここでこんな反応がきます。

失恋した女性

「ええー!そんなの思い出したら、這い上がれなくなりそうです」

「未練だらけになって彼に執着してしまいそうです」

....。

そう思いますよね。

で、思い出したら悲しくなってしまうから、心の中にずっと閉じ込めておくわけですよね。

感じないようにするんですよね。そこにあるのに、目をそらすのですよね…。

私はこれこそが「引きずる」原因だと思っています。彼と出会って過ごしてよかったこと、彼から受けとったことを思い出しながらしっかりと「悲しさ」に突っ込んでいく。

それをしないから未練がふくらみ立ち直れないのだと思うのです。

これ、嬉しかったな。このとき、キュンとしたな。このとき、すごく恥ずかしかったな。

心は木っ端微塵でつらいけど、その記憶を思い出しているときは、あぁ楽しかったなと思えるでしょう。

ネタは一時間で底をつく?!

そして、この「嬉しかった記憶」は何日でも書き続けられるんじゃないか、書き出したらもう止まらないかと思うでしょう。

…しかし、残念ながら、だいたい一時間くらいで底をつきます。

あれ?あれ?もうない?となるのです。…書くことがそれ以上なくなるポイントが必ずきます。

そうしたら、しばらく時間をおきましょう。そして、思い出したらまた書く。また、時間を置く。でも、その追加する分も、絞り出してもなくなっていきます。

2.リストを眺めて幸せな気分になる

失恋してお通夜の儀式

「自分が嬉しかった記憶」「自分の印象に残っていること」「自分が喜んだ瞬間」で画面やノートがいっぱいになったら、次のステップに進みます。

その書き出したものを、じっと眺めてみてください。

失恋のことを考えると、心はもちろん痛いし悲しいのですが、書き出したものを見返すだけでも、幸せな気分になれるはずです。

「私、こういう褒め言葉が好きなんだな。可愛いって言われると嬉しいんだな。」

「私、こういう時間を男性と過ごしたいんだな。私、こういう感覚になれると幸せなんだな。」

こんなふうに、あなたの好きな瞬間を、そのリストは教えてくれます。

そうしたらそれは、また味わえるもの。

それは、また自分の目の前に差し出されるもの。

また、別の男性から、それを受け取ろう。

きっと受け取れる。

そう、思ってみてください。

3."お役御免"の彼へ敬意を

別れた彼に敬意を

別れた彼?その人はもうそれらを自分にくれることはないけれど「私、こういう過ごし方を男性としたいんだな」をたくさん教えてくれた人。

お役目は果たされました。心の中でその人に「ご苦労であった」とつぶやいておきましょう。

元彼に敬意を

この方法はこれまでたくさんの女性にお伝えしてきましたが、実際にお通夜をして立ち直っていった方は、こんな風に言ってくださることが多いです。

「心はもちろん痛いし悔しいし、悲しい。でも、このお通夜をしていると、なんだか少し楽しくなってしまいます」。

そうです。私はこういう瞬間が好き、こういう言葉を受けとるのが好きという感覚を得て、自分としっかりつながれたのです。

きっとその「なんか少し楽しい」という感覚が、次の新しいご縁を運んできてくれるはず。ですから今は安心して、泣きたいときに、泣けるだけ、泣いてしまいましょう。

そして少し落ち着いたら、お通夜の儀式に取りかかってみてください。

失恋から立ち直るのに逆効果なこと

失恋から立ち直るのに逆効果なこと

一方、いつまでも失恋から立ち直れないようにする方法はとってもカンタンです。

ひとつは、先述したように、悲しさを心の中に閉じ込めて感じないように避け続けることです。

そして、もうひとつはこちら。

「これをくれるのはあの人しかいなかったのに。こんな言葉を言ってくれるのはあの人だけだったのに。もうあんな素敵な人は現れないに違いない」と思い込むことです。

気づいたら数年過ぎてもおかしくありません。

そんなこと、絶対にありません。たまたま今回、彼がそれをもっているように見えて、彼からそれを受け取っただけなのです。

他にも、その楽しさ、やさしさや甘い言葉を共有できる男性はたくさんいますからね。

最後に

恋愛・夫婦関係を作っていくのが上手だなと感じる女性には、ある共通点があります。

それは、「手放す、あきらめる、別れるといったつらい時間をうまく過ごしている」ことです。

失恋に限らず、他人と作っていく関係の中で、どうしても自分の願い通りにならないことはありますよね。

結婚したかったのにできないとわかった、相手とどうしても考え方が合わない、別れざるを得ない。大きなテーマになると、子どもを持てないとわかる…など。

自分には、これは手に入らないのだとあきらめる、つらい瞬間がやってくることがあります。そういう時期をどう過ごすかは、とても大切です。

少し痛いけれど、傷つくことも受け止められる人は、自分を大切にしながらつらい時間をやり過ごすしなやかさと、そのための知恵をもっているのです。